DCSサンプルの概要

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DCSサンプルの概要

DCSサンプルとは

PA-PanelパッケージにはDCSシステムの標準サンプルが付属しており、以下のような機能を実現することができます。

 

■標準サンプルの利用

PA-Panelパッケージには、PA-Panelによって開発されたDCSシステムの標準サンプルが付属しています。グラフィック部品、フェースプレート、アナンシエータ、トレンドグラフ、日報機能、画面分割表示など、計装システムに必要となる主要機能をそのまま流用することができます。DCSサンプルは、スタート画面のフレームライブラリの中から選択することで、スケルトンプロジェクトを簡単に作成することができます。

 

■計装PLCとの接続

計装PLCと接続するための標準サンプルが含まれており、対応機種の計装PLCであれば、サンプルをインストールしてすぐに動作させて検証することができます。サンプルシステムには、計装PLC側の汎用的な制御ファンクションブロックのうち、主要なファンクションブロック(PID、比例制御、スイッチ操作など)と接続するための構造化タグのテンプレートが含まれています。

 

■エンジニアリングツールの利用

計装PLCとの接続設定を行う際のタグ登録作業を支援するための、エンジニアリングツールが標準で付属しています。PLCとの接続タグや構造化タグの初期データを構築する際に、当該ツールの利用によりエンジニアリング作業の負荷を軽減します。尚、エンジニアリングツールはMicrosoft Excelで構築されたタグ編集用フォーマット群とVBAマクロで構成されています。

 

■自由なカスタマイズが可能

DCSサンプルの各種機能は、PA-Panelのみで構築されています。スクリプトなどのソースコードが付属しているため、ユーザー自身によって必要に応じたカスタマイズを行うことができます。例えば、PLC側で構築した独自のファンクションブロックに接続する場合や、フェースプレートの種類を追加する等の改造を自由に行うことができます。また、エンジニアリングツールはMicrosoft Excelで構築されたタグ編集用フォーマット群とVBAマクロで構成されています。エンジニアリングツールについても自由にカスタマイスすることができます。

 

 

DCSサンプルの機能

DCSサンプルは以下の機能で構成されています。

 

機能名

画面イメージ

解説

グラフィックシンボル

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DCSサンプル専用に開発されたグラフィックシンボルが付属しています。グラフィック画面を作成する際には、これらのシンボルを利用することができます。ユーザーによる自由なカスタマイズが可能です。

フェースプレート画面

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フェースプレートを任意の組み合わせで表示します。1つのグループにつき、最大8つまでのフェースプレートをならべて表示することができます。グループの設定は運用中にユーザー自身が自由に変更することができます。

アラームサマリ・履歴/

イベント履歴

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アラームの監視を行い、アラームサマリ/アラーム履歴/イベント履歴を表示します。サマリからは、行確認、ページ確認、全確認の確認操作が行えます。また、過去に発生したアラームやイベントの履歴を検索して表示することができます。

アナンシエータ

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アナンシエータパネルです。1グループあたり5*8の40マス、最大15グループまで登録が可能です。グループの設定およびランプ表示設定は、運用中にユーザーが自由に変更することができます。アラームサマリ側で確認を行うと、アナンシエータ上の表示も点滅から点灯に切り替わる等、アラームサマリと連動して動作します。

トレンドグラフ

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データのロギングを行い、トレンドグラフとして表示します。リアルタイム、履歴表示のいずれにも対応可能です。ペン設定は運用中に自由に変更することができます。カーソルで指定した期間のデータをCSVファイルに保存することもできます。

比較トレンド

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異なる時系列のデータをトレンドグラフ上で重ねて表示したり、上下に並べて比較するグラフ機能です。

 

日報・月報・年報

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日報、月報、年報のレポート機能です。ロギングデータは自動的に日報集計が行われます。レポートのページ設定(列の順序、余白列の挿入、列に表示する対象タグコードなど)は、運用中に自由に変更することができます。レポート表示データをCSVファイルに保存することもできます。

信号リスト画面

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システムに登録されているタグコードを一覧表示し、主要な情報を表示する管理者用画面です。一覧からタグコードを選択すると当該タグの詳細設定画面を呼び出し、運用中にタグ情報を自由に変更することができます(名称、単位、警報有効・無効、しきい値、警報レベル、等々)。

チューニング画面

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PIDなどのチューニング画面を表示することができます。チューニング画面はグラフィックシンボルのクリック、信号一覧からの選択、フェースプレートからの呼び出しなどにより表示できます。

画面分割表示

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画面を分割表示することができます。4分割、2分割など、いくつかの表示様式を選択することが可能であり、表示する画面は運用中に自由に割り当てることができます。

 

 

hint

DCSサンプルに、画面ライブラリの機能を追加することもできます。

 

 

エンジニアリングツールについて

DCS標準サンプルを利用したシステム構築では、タグ情報の初期設定登録などのエンジニアリング作業が発生します。これらのエンジニアリング作業の負荷を軽減するためのツールとして「エンジニアリングツール」が用意されています。エンジニアリングツールは、Microsoft Excelで作成されたタグ登録編集用のExcelシート群と、同シート群を読みこんで各種設定ファイル(CSV)を生成するためのVBAマクロ(Excelマクロ)によって構成されています。

 

(ツール画面イメージ)

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hint

エンジニアリングツールを利用するにはMicrosoft Excelがインストールされている必要があります(バージョン2007以降)。