概要

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概要

PA-Panelのエンジニアリング作業

PA-Panel(DCS標準サンプル)におけるシステム構築作業は、アプリケーションを実行するために事前に登録作業を行う必要のある「基本システム構築」と、アプリケーション実行後に設定画面から登録作業を行うことができる「オンライン設定」に分けられます。

 

基本システム構築作業の大半は、計装PLCと接続するための設定である「タグ登録作業」で占められます。また、タグ登録作業は、PLCと実際に通信を行うための「実タグ」登録作業と、実タグをタグコードの単位で構造化した「構造化タグ」の登録作業とに分かれています。PA-Panelはこれらのタグ情報を一点ずつ設定画面から登録していくことも可能ではありますが、作業効率化のために、CSVファイルから複数のタグの情報を一括で取り込むための機能が備わっています。基本システム構築のタグ登録作業では、あらかじめ何らかの方法によりタグ定義用のCSVファイルを作成しておいてから、Panel Serverのタグ一括取り込み機能を利用してタグ情報を構築することによりタグ登録作業を行うことができます。その他、タグの登録を行う際には、タグを参照している各種サーバ機能(アラームアクション、サマリアクション等)の定義情報についても同様に更新する必要がありますが、これらの定義情報についてもCSVファイルで定義を行う仕組みとなっています。

 

つまり、タグデータなどの定義情報を、Panel Serverから一括取り込み可能なCSV書式のファイルとして用意することができれば、エンジニアリング作業を効率よく進めることが可能となります。DCS標準サンプルには、これらのCSVファイル群の編集・生成作業を軽減することを目的としたツールとして「エンジニアリングツール」が付属しています。エンジニアリングツールはMicrosoft Excelで作成されたタグ登録編集用のExcelシート群と、同シート群を読みこんで各種設定ファイル(CSV)を生成するためのVBAマクロ(Excelマクロ)によって構成されています。本ツールには構造化タグを一括で取り込むためのCSVファイルや、アラームサーバが起動時に読み込むアラームマスタCSVなどの各種設定CSVファイルを自動生成するための機能が備わっており、タグ登録作業にかかる時間を大幅に短縮することができます。

 

また、オンライン設定作業で行う設定としては、アナンシエータ画面のグループやランプ表示の設定や、日報などのレポートレイアウト設定(帳票の項目表示順やタグ追加など)、コントロール画面のグループ定義やグループ内に表示するフェースプレートの定義、トレンドのペングループ設定などがあります。これらの設定値についてもCSVファイルで構成されており、設定値CSVを基本システム構築作業時に初期設定として事前に定義しておくことも可能です。尚、これらの設定値については、システム運用開始後に設定画面を表示してユーザー自身が自由に設定を変更することも可能となっており、オンライン設定についてはシステムを再起動する必要がありません。

 

本章では、DCS標準サンプルを用いた具体的なエンジニアリング作業手順、内容について解説します。

 

 

hint

システムの運用開始後に「基本システム構築作業」に関する設定変更を行った場合は、設定内容によってはランタイム実行されているPanel Serverを1度オフラインにして、再度オンラインにする必要があります(実タグの変更、構造化タグの変更、主要マスタの変更)。一方、「オンライン設定作業」に関する設定変更については、Panel Serverを終了させる必要はありません。