概要
本頁では、ロギング処理の開始/終了をタグイベントによって制御する構築例を紹介します。
構築例として、月曜日から金曜日の、朝8時から18時までの間のみロギングが行われるようにします。
考え方:
•定刻によるロギングのON/OFFを制御するためのトリガとして、メモリデバイスの「時刻ビットタグ」を使用します。
•「時刻ビットタグ」をトリガとして動作するタグイベントを登録し、サマリアクションを定期的に呼び出している定刻イベント自体を、タグイベントから開始/停止します。
尚、ここでは、ロギングを行うサマリアクションを「A01」、サマリアクションを定期的に呼び出している定刻イベントを「E01」と仮定して記述します。
設定例
タグ設定
ロギングの開始/停止のトリガのためタグとして、メモリデバイスの「時刻ビットタグ」を使用します。
ここでは例として、メモリデバイスタグ「U02.F01.T01」を作成します。
メモリデバイスタグを作成したら、タグの通信設定タブを開きます。
デバイスから「時刻ビットタグ」を選択し、パラメータの右の選択ボタン「…」をクリックします。
上画像により以下の設定画面が表示されるので、月曜日から金曜日、8時0分0秒から17時59分59秒を設定します。
この設定により、上画像の時刻ビットタグ「U02.F01.T01」は、月曜日から金曜日の朝8時から18時の直前までの間、自動的にONとなります。
アクション設定
サマリアクションを呼び出している定刻イベント「E01」の有効/無効を切り替えるための仕組みとして、「スクリプトVer1アクション」を使用します。
スクリプトVer1アクションを「A02」として登録し、プロパティ画面から「スクリプト」タブを開きます。
スクリプトの右にある選択ボタン「…」をクリックします。
以下のスクリプトを定義します。
(スクリプトの定義)
//Event/E01!Enable = U02.F01.T01 |
上定義の「//Event/E01!Enable」は、イベントの有効/無効を制御するためのシステムプロパティです。システムプロパティをON/OFFすることにより、イベント自体の有効/無効を動的に切り替えることができます。イベントのシステムプロパティに関する詳細は「システムプロパティ」を参照してください。 |
イベント設定
「アクション設定」で作成したスクリプトVer1アクション「A02」を呼び出すイベントを作成します。
イベントに、タグイベント「E02」を登録してください。
•タグ ・・・ U02.F01.T01
•比較条件 ・・・ タグ値が変化した
•実行アクション ・・・ A02
これにより、時刻ビットタグ「U02.F01.T01」が変化する都度、スクリプトVer1アクション「A02」が実行され、サマリアクションを呼び出すイベント「E01」のEnableプロパティ(//Event/E01!Enable)が自動的にON/OFFされるようになります。
解説
メモリデバイスの時刻ビットタグは、指定した時刻や期間のみONさせることができるビットです。今回の設定では8時から18時までの間ONします。
① 8時にON
1.U02.F01.T01がONになるとタグイベント「E02」が発生し、スクリプトVer1アクション「A02」が実行されます。
2.「A02」では「//Event/E01!Enable = U02.F01.T01」の式が実行され、サマリアクションを呼び出す定周期イベント「E01」が有効になり、ロギングが開始されます。この式は「E01」の有効状態を切り替えるためのもので、1の時有効、0の時無効になります。「U02.F01.T01」の状態はこの時ON(1)の状態であるため、「//Event/E01!Enable」には「1」が設定されます。
② 18時にOFF
1.U01.F01.T01がOFFになるとタグイベント「E02」が発生し、スクリプトVer1アクション「A02」が実行されます。
2.「A02」では「//Event/E01!Enable = U02.F01.T01」の式が実行され、定周期イベント「E01」は無効となり、ロギングが停止します。
上で紹介した例では、時刻ビットタグによる定刻での有効/無効の切り替えを行いましたが、例えば、時刻ビットタグの替わりとなる信号をPLCから受け取り、PLCからのトリガに応じてロギングの開始/終了を制御することもできます。また、開始/終了のための制御用のフラグをメモリデバイスタグで作成しておき、画面上のボタンなどからタグをON/OFFすることでロギングの有効/無効を切り替えることもできます。 |