<< Click to Display Table of Contents >> Panel Server側の設定 |
ここでは、Panel Server側のアラーム設定における、一般的な設定手順について学習します。また、本チュートリアルではPLCデバイスの代わりに仮想デバイスを使用し、内部リレー(M)のON/OFFに対してアラーム条件を設定します。
プロジェクトを作成する
1.プロジェクトの保存先となるフォルダを作成します。
2.Panel Editorを起動し、「新規プロジェクト作成」をクリックします。右エリアに新規プロジェクトのベースとなるフレームワークが表示されるので、「新規フレームワーク」を選択し、「作成」ボタンをクリックします。確認画面が表示されるので、「はい」を選択します。
3.プロジェクトの保存場所として「1」で作成したフォルダを選択し、プロジェクトファイル名を入力します。その後、「開く」をクリックします。
4.ブランクのフレームプロジェクトとして、クライアント設定ファイル(client.xml)とサーバ設定ファイル(server.xml)が登録されたプロジェクトが表示されます。また、プロジェクトとしての推奨フォルダがプロジェクトの保存場所に作成されます。作成フォルダの用途は以下の通りです。
作成フォルダの用途
|
5.クライアント設定ファイル(client.xml)には、初期状態でFolder01とその中にForm01が入っています。
6.PSLoginStartupルートプロパティを「AUTO」にします。
7.ここで一旦、設定を保存します。
本トレーニングで使用する為にPanel Serverに仮想デバイスを設定し、タグを登録します。
1.Panel Serverを起動します。Panel Editorの下図のアイコンをクリックすると、Panel Serverが起動し本プロジェクトのサーバ設定ファイルを開きます。
2.Panel Serverにタグを登録します。以下のような仮想デバイスとタグを追加してください(作業手順は「画面開発の基本」の「プロジェクトの新規作成-トレーニング用のタグを作成する」を参考にして下さい)。
ユニット名: “U01” ・・・仮想デバイス
フォルダ名: “F01”
登録するタグ:
タグ |
デバイス種別 |
備考 |
“M0000”から”M0004”までの連番 |
M (内部リレー) |
5点の連続したタグを作成する |
3.Panel Serverに“タグモニタ”ビューを追加します(作業手順は「タグの画面割り付け」を参考にして下さい)。
タグを登録したら“タグモニタ”ビューを追加しておいてください。
タグモニタビューにモニタ対象のタグを追加する場合、MultiViewに表示されているタグをタグモニタビューにドラッグ&ドロップすることでも追加が可能です。 |
4.Panel Serverの設定内容を保存します。下図の保存ボタンをクリックします。
アラームマスタの作成
続いて、アラームマスタを作成します。アラームの設定は、アラームマスタで定義します。アラームマスタはCSV形式のファイルで、テキストエディタなどで編集して作成します。
アラームマスタで定義するのは、アラームID、アラームの属性(発生・復帰、確認の有無)、発生条件、アラームコメントなどの基本情報で、アラーム1件につき1行のアラーム情報を登録します。特徴的な仕様としては、アラームマスタのフォーマットは固定ではなく、可変であるという点です。ユーザはメッセージやコメントなどの並び順や、アラームとして出力したいフィールドなどの仕様に応じて、自由にフォーマットを定義することができます。特に、アラームコメントの定義は複数種類を自由に設定することが可能で、例えば、コメント1にメッセージ、コメント2にアラームグループ、コメント3にアラームレベル、コメント4にタグ値、などの使い分けが可能です。
アラームマスタのフォーマットには、「通常フォーマット」と「簡易フォーマット」の2種類があります。簡易フォーマットではアラームマスタを簡素に記述できる利点はありますが、アラームメールの送信や、コメントにタグ値を含めることなどができません。特に理由がない場合は、「通常フォーマット」による設定を推奨します。以降、本チュートリアルでは通常フォーマットでの設定についてのみ取り上げます。 |
アラームマスタの通常フォーマットの内容は「アラームマスタのフォーマット」を参照下さい。 |
実際にアラームマスタの作成を行います。ここでは例として、以下のフォーマットでアラームマスタを作成してください。
●フォーマット
項目 |
フィールド名 |
設定内容 |
アラームID |
[ALARMID] |
0から始まる連番を設定。 |
発生・復帰 |
[RECOVER] |
“y”を指定。 |
確認 |
[ACK] |
“y”を指定。 |
発生条件 |
[ONCONDITION] |
タグ名を記述(つまり、タグがTRUEになったとき発生)。 |
コメント0 |
[CM0] |
アラームメッセージを記述。 |
コメント1 |
[CM1] |
アラームグループを記述。 |
●記述例
アラームID,発生復帰,確認,発生条件,コメント0,コメント1 [ALARMID],[RECOVER],[ACK],[ONCONDITION],[CM0],[CM1] 0,y,y,U01.F01.M0000,M0でアラームが発生しました,軽故障 1,y,y,U01.F01.M0001, M1でアラームが発生しました,軽故障 2,y,y,U01.F01.M0002, M2でアラームが発生しました,軽故障 3,y,y,U01.F01.M0003, M3でトリップが発生しました,重故障 4,y,y,U01.F01.M0004, M4でトリップが発生しました,重故障
|
一行目の見出しは分かりやすい内容を自由に記述してください。二行目にフィールドの定義を記述してください。三行目以降にアラーム定義をカンマ区切りで記述します。この例ではM0からM4までの5点のアラームを定義しています。
ファイル名を“alarmmaster.csv”として、設定ファイルと同じ場所に保存してください。
「発生・復帰」や「確認」の有・無の設定は、アラームマスタ内で混在させることもできます。例えば、重故障グループのみ「確認有り」として、その他のアラームは「確認無し」に設定する、などの運用も可能です。 |
発生条件には条件式を記述することもできます。例えば、アナログタグの値とアラーム閾値を比較し、上限を超えた場合にアラームを発生させるといった設定や、複数のタグ値の複合条件でアラームを発生させることも可能です。
例1)D0000が100以上になった時にアラーム U01.F01.D0000>=100
例2)M0000とM0001がTRUEの時にアラーム U01.F01.M0000&& U01.F01.M0001
|
アラームサーバの作成(アクションの設定)
アラームマスタを作成したら、アラームサーバアクションの設定を行います。
1.アラームサーバアクションを追加する
Panel Serverのツリーから、Actionを右クリックしてメニューを表示し、追加/アクションを選択します。
アクションの追加ダイアログが表示されるので、「アラームサーバ」を選択してOKボタンをクリックします。“A01”というアクションが新たに追加されます。
2.アラームサーバアクションのプロパティを設定する
A01を右クリックしてプロパティを表示します。基本設定タブを開き、アラームフォルダ(アラームログが保存されるフォルダ)として、“server_data\alarm”フォルダを設定します。フォルダはアラーム発生時に自動的に作成されます。
「無効にする」にチェックを入れると、対象のアラームサーバ自体の有効/無効を切り替えることができます。また、「アラームのメンテナンスを行う」を設定すると、古いアラームログを自動的に削除することができます。 |
次に、アラームマスタタブを開き、アラームマスタの設定を行います。
マスターファイルにあらかじめ作成したアラームマスターファイルを指定します。「簡易フォーマットを使用する」のチェックは外した状態にしてください(デフォルトが外れた状態です)。
設定したら、OKボタンでダイアログを閉じます。
イベントの設定
次に、イベントの設定を行います。一秒ごとに発生する定周期イベントを作成し、先ほど設定したアラームサーバアクションの呼び出しを定義します。
1.定周期イベントを追加する
Panel ServerのツリーからEventを右クリックしてメニューを表示し、追加/定周期イベントを選択します。新たに“E01”イベントが追加されます。
2.イベントのプロパティを設定する
“E01”イベントを右クリックしてメニューを表示し、プロパティを表示します。
定周期イベントタブを開き、設定が1秒になっていることを確認します(デフォルトが1秒です)。
実行アクションタブを開き、アクション名のコンボボックスから先ほど設定した“A01”アクションを選び、追加ボタンをクリックします。
追加ボタンをクリックすると、リストに登録されます。
これで、“E01”というイベントが1秒周期で発生する度に、アラームアクションが実行されます。以上でサーバ側の設定は完了です。
OKボタンをクリックしてプロパティ画面を閉ください。
3.Panel Serverの設定内容を保存します。下図の保存ボタンをクリックします。
4.Panel Serverの「オンライン モニター」ボタンをクリックします。Panel Serverがオンラインとなります。
アラームサーバによるアラーム検出はタグの更新周期に基づいて行われるため、ここで設定する定周期イベントの周期とは関係ありません。アラームサーバによって検出されたアラームは一旦キャッシュに保存され、キャッシュ内のアラーム検出情報をアラーム情報に書き出す処理のために、定周期イベントからのアクション呼び出しを行います。 |