二重化機能の基本

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二重化機能の基本

二重化機能とは?

FA-Panelには、Panel Serverを二重化構成として運用するための機能が用意されています。FA-Panelの二重化機能では、主系PC/待機系PCの2台のPCを用意して、Panel Serverをメイン、サブとして実行することにより、PLCとの通信・アラーム・ロギングなどの各種サーバプロセスを冗長化することができます。

 

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二重化構成による運用中は、サーバプロセスはメインのPanel Server上でのみ実行され、サブのPanel Serverは二重化切り替えの発生まで待機状態となります。二重化の切り替えが発生すると、それまで待機していたサブのPanel Serverは自動的にメインに昇格し、サーバプロセスを開始します。
 
また、クライアント画面を表示しているPanel Browserは、主系PC、待機系PCのうち現在メインとしてPanel Serverが稼動しているPCと自動的に通信接続します。メイン/サブ間で二重化の切り替えが行われると、Panel Browserはメイン/サブの切り替わりを追従し、自動的に通信接続を切り替えます。

 

 

 

hint

PLC等と通信を行うために定義する「ユニット」の設定にも二重化の設定項目が用意されていますが、この設定はPLC(CPU)の二重化構成に対応するための機能です。ここではPanel Serverの二重化に関する事項のみを記載しており、PLCの二重化については解説しません。当該機能に関する詳細については、デバイス接続 リファレンス「PLCの二重化設定」を参照してください。
 
<ユニットの二重化プロパティ>

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二重化時のライセンスについて

FA-Panelを二重化構成で運用する場合、メイン/サブそれぞれのPanel Serverに対してライセンスが必要となります。例えば、5クライアントライセンスを必要とするシステムを二重化にする場合、主系PC/待機系PCそれぞれに対して5ライセンス以上のライセンスキーを差し込む必要があります。

 

 

データ共有の仕組み

二重化機能では、メイン/サブのPanel Server間でデータの共有が自動的に行われます。共有されるデータとしては、アラームデータ(アラームサーバーアクション)、ロギングデータ(ロガーアクション)、レポートデータ(日報・月報・年報アクション)などのサーバデータの他、メモリデバイスタグのディスク保持値なども含まれます。

 

二重化におけるデータ共有では、Windows OSが標準機能として提供している「ネットワーク共有」機能を利用します。

 

まず、主系/待機系の両PC間でネットワーク共有設定を行い、お互いが双方のディスクドライブをネットワーク共有するようにWindowsの設定を行います。

 

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つぎに、二重化に対応した各種機能(アクションなど)の二重化処理設定で、データの保存場所の「メインフォルダ」の設定に主系PCのディスクドライブ配下のフォルダを指定し、「サブフォルダ」の設定に待機系PCのディスクドライブ配下のフォルダを指定します。Panel Serverが二重化モードでオンライン実行されると、二重化処理設定が行われている各アクションは、メインフォルダ/サブフォルダの両方に同時にデータを出力します。この仕組みにより、二重化のメイン、サブが切り替わった以降についても、切り替わる前のデータをそのまま継続することができます。

 

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hint

Windowsのネットワーク共有設定で指定するドライブレター(「C:」「X:」など)の設定には、主系PC、待機系PCそれぞれで同じ名称になるように設定します。このように設定することで、主系/待機系でPanel Serverの設定ファイルを共通的に利用できるようになります。

 

 

ファイルの同期

二重化に対応した各アクションはメインフォルダ/サブフォルダに同時にデータの書込みを行いますが、現在メインとして稼働中のPanel Server側から見て相手側のPCが稼動していない状態の場合には(PCの電源が入ってない等)、メインフォルダとして設定した自PC内のフォルダに対してのみデータを書き込みます。つまり、この間はどちらか一方のPC上にしか当該データが存在していない、という問題が生じます。

 

この問題を解消するために、Panel Serverは相手側PCの復旧を検知すると、メインフォルダとサブフォルダ間のデータファイルの差異を自動的に同期します。この機能により、両PC間のデータファイルの整合性が維持されます。

 

障害発生中(相手PC不明)
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復旧時
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二重化インターフェースについて

Panel Serverの二重化インターフェースの詳細は「Reduncancyインターフェース」を参照下さい。